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10/20 マラケシュトーク

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ヤミナ一家は朝早くにチェックアウトしていた。
今朝は別のドイツ人夫婦と食卓を囲む。
彼らは陽気でとても良くしゃべる。
昨日の観光の報告と、今日これからの予定、
地震の事や「愛」についてなど(笑)色々な話をする。
若く見えたけれど、もう結婚して25年の熟年カップルだった。

彼らは明日から砂漠のツアーに出るそうで
ラクダに乗って、砂漠で寝るのだそう。
彼曰く
「明日は星付きのホテルじゃないけれど、幾千もの星がみえるはず!」
(このフレーズはお気に入りのようで何度も出て来た。)
いいね〜。砂漠ツアー。一人じゃ行けないけれど、行ってみたいなあ。

泊まっていたリヤドの写真。
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今日こそは観光をしよう、と裏道を通ってスークへ行く途中で
西サハラから来たベルベル人の露店を見つけてしまった。
ずっと欲しかったアフガンベルトが!!
(ベルベル人のものだからベルベルベルト?)
他にも色々とテンションの上がるアンティークが並んでいて
すっかり買い物モードに逆戻り。
どうやらモスクまで辿り着けないでマラケシュを発つ事になりそうだ。
手持ちの現金がなかったので、お兄さんに近くのATMまで案内してもらい
ベルト類を購入。
チェックアウトの時間も近付いていたのでそのまま宿に戻る。

空港へはバスで、と思っていたけれど
連日の熱さでどうも身体が重い。荷物も重い。
近くにいたタクシー運転手に声をかけると
他のタクシー運転手もよって来て客の取り合いで喧嘩を始めてしまった。
あー、もうめんどくさい!
もういいよ、といつもの定食やに逃げ込み、サラダを食べる。

店を出る頃には運転手同士のいざこざは収まっていて
最初に声をかけた運転手が待っていた。
空港までは100DH。
これは相場らしく、ガイドブックにも載っていた。
しかし後部座席に座った途端、運転手の取り巻きが窓から
なんやかんや言ってくる。30だの50だのという数字が聞こえる。
何の事?と聞いてもよくわからない。
「お前、英語話せるか?」
と聞かれるので、フランス語よりは英語の方がましだと言うと
それでも何故かフランス語でしゃべり続ける。
ー話せないなら聞くなよ!
とにかくわからない数字を二三人でよってたかって言ってくる。

私 「分からない。なぜ30?」
フランス語でやいやい言われるけれどよくわからない。
取り巻き 「まあいい。とにかく、30な。車出しちゃえ!」
という風にドアを閉められそうになったので
私 「ちょっと待って、100じゃないなら乗らない。」
むっとして車を降りると
運転手 「わかったわかった。100だよ。」
私 「100ね?100しか出さないよ。」
運転手 「わかったよ。」
車は出発したものの、大丈夫かな?と少し不安になる。
このままどこかに連れて行かれたらたまらないな、と思い
とにかく話しかける事にした。

私 「忙しい?」
運転手 「日によって違うよ。」
私 「マラケシュは色んな人が来るでしょう」
運転手 「世界中から来るね。」
私 「マラケシュはいい所だね」
運転手 「そうだろう?」
私 「緑が多いんだね(お世辞)」
運転手 「そう。花はたくさん咲いているし、●●もたくさん。奇麗な所だろう?」
私 「●●って?」
運転手 「あれだよ、あれ、あの木」
私 「ああ、パームツリー。」
運転手 「アトラスへは行ったか?」
私 「行きたかったけれど行ってない。冬には雪が降るんでしょう?すごいね。」
運転手 「次は行くといいよ。」
私 「うん。次は行きたいな。またマラケシュに来たい。」

地元の話になると運転手は嬉しそうに色々と答えてくれた。
バラの垣根の中を通り抜け、空港につく頃には
結構まともなヤツじゃないか、という気持ちになっていた。

荷物を降ろしてもらい、料金と一緒に10DHのチップを渡すと
「ありがとう!」
とびっくりして彼は笑った。
私は絶対に100DHしか払わないと言っていたので。
そうやってさ、だまそうとかむしり取ろうとか思わずに
サービスしたり、情報くれたりすればお客だっていい気持ちでチップくらいくれるんだよ。
そんな想いで渡した。たった10DHだけれど。


帰路はいつでもトラブルの起こるもので
パリ行きの飛行機は予定よりも2時間遅れの出発になった。
ただでさえ深夜到着で、空港からはピックアップタクシーを予約していたのに
タクシー会社に遅延の連絡をすると、その時間には迎えに行けないと言われてしまった。
空港で普通のタクシーを拾ったら50ユーロくらいかかる。
仕方ないか、と思って飛行機に乗りこむ。
隣の席に一人で座っているフランス人の男性が居たので
「この時間ってRER(列車)って終わってますよね?タクシーっているのかな?」
と聞いてみた。
「RERは終わっているはず。」
「タクシーで帰ります?」
「うん、しょうがないから・・・。」
「どこに住んでいるんですか?」
「10区」
「ホント?私も。リピュブリックの近くなんです。」
「僕はリピュブリックのちょっと先。じゃあ、相乗りして帰ろうか。」
「助かる。私、現金40ユーロくらいしか持っていなくて」
「僕も45ユーロしか持っていない。シェアしたら足りると思うよ。」

結局、うちまでは42ユーロだったので、彼に22ユーロ渡してタクシーを降りた。
22ユーロだったら最初に予約していたピックアップタクシーよりも随分安い。

10日前にたった一泊しただけの我が家のドアを開け
どこにしまったか忘れてしまったパジャマを探す。
今からはこの小さな屋根裏部屋が私の生活の場になる。

荷解きは明日にしてとりあえず眠ろう。
たった10日なのに長い旅だったなあ。
ついこの間までシャモニーにいたのに。
新しいリネンからはほのかに葉巻の香りがした。
留守の間に大家さんが替えていてくれたみたい。
私が住む様になれば、この香りもすぐに消えるだろう。



by oyabing2002 | 2011-11-25 16:33 | イベリア・モロッコ紀行
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旅をするのが好きです。

2012年4月に
フランスワーホリから戻りました。

趣味はサッカー観戦
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